星風まどかはなぜ花組へ?宙組時代からトップ就任・トップ期間を総まとめ

宝塚

宝塚歌劇団の歴史において、星風まどかさんほど異例のキャリアを歩んだトップ娘役は珍しいでしょう。

100期生として入団してから退団まで、常に「初」や「異例」という言葉がついて回った彼女の軌跡は、まさに宝塚史に刻まれる特別な存在でした。

特に注目を集めたのが、宙組トップ娘役から専科を経て花組トップ娘役へと移籍した経緯です。

「なぜ花組へ?」という疑問は多くのファンが抱いたもので、その背景には劇団の戦略的判断と複雑な人事事情がありました。

本記事では、星風まどかさんの宙組時代からトップ就任、そして花組移籍までの軌跡を公演年表とともに詳しく解説していきます。

星風まどか プロフィールと基本情報

星風まどかさんは1996年11月11日生まれ、東京都国分寺市出身。

2012年に宝塚音楽学校に入学し、2014年に100期生として宝塚歌劇団に入団しました。

入団時の成績は49人中3番という優秀な成績で、早くからその才能が注目されていました。

母親が宝塚ファンだったため「お腹にいる頃から宝塚を観ていた」という環境で育ち、2008年の月組公演「ME AND MY GIRL」を観劇した際にラインダンスに感動し、音楽学校受験を決意したというエピソードがあります。

国立音楽大学附属中学校出身で、小学生時代からバレエを習っていたという芸術的素養も、後の活躍につながったと考えられます。

初舞台は月組公演「宝塚をどり/明日への指針/TAKARAZUKA 花詩集100!

」で、その後組まわりを経て2015年に宙組に配属されました。

宙組時代:生え抜き初のトップ娘役への道のり

異例のスピード出世

星風まどかさんが宙組に配属されたのは2015年のことでした。

配属からわずか3か月後の「王家に捧ぐ歌」で新人公演初ヒロインに抜擢され、入団2年目での大役は大きな話題となりました。

その後も「相続人の肖像」でバウホール公演初ヒロイン、「ヴァンパイア・サクセション」で東上公演初ヒロインと、着実にステップアップを重ねていきます。

2016年の「エリザベート」では新人公演でタイトルロールのエリザベート役を演じ、本公演では少年ルドルフ役を務めるなど、早くからその実力が認められていました。

宙組トップ就任:100期生初、宙組生え抜き初の快挙

2017年7月7日、星風まどかさんの宙組トップ娘役就任が発表されました。

同年11月20日付で真風涼帆さんの相手役として就任し、これは100期生から初のトップ誕生であり、同時に1998年に創設された宙組から誕生した初の生え抜きトップ娘役という歴史的な出来事でした。

就任時わずか21歳という若さも話題となり、入団からトップ就任まで3年という異例のスピード出世は宝塚ファンを驚かせました。

真風涼帆との黄金コンビ時代

2018年の「天は赤い河のほとり/シトラスの風」でトップコンビ大劇場お披露目を果たした星風まどかさんと真風涼帆さん。

現代的で大人の魅力を持つ真風さんとのコンビは「まかまど」の愛称で親しまれ、多くの名作を生み出しました。

代表作として挙げられるのは:

  • 「オーシャンズ11」(2018年):クールで知的な役柄を披露
  • 「異人たちのルネサンス」(2019年):ヨーロッパを舞台にした壮大な物語
  • 「アナスタシア」(2020-2021年):宙組トップ娘役時代の集大成となった作品

特に「アナスタシア」では、タイトルロールを演じ、真風さんとの最後のコンビ作品として多くのファンの記憶に残る名演を見せました。

なぜ花組へ移籍したのか?専科経由の真相

2020年11月の衝撃発表

2020年11月30日、星風まどかさんの専科異動が突然発表されました。

現役トップ娘役の専科移動は近年では異例で、宝塚ファンに大きな衝撃を与えました。

同時に潤花さんの宙組トップ娘役就任も発表され、複雑な人事の背景に注目が集まりました。

花組の事情と劇団の戦略

なぜ花組への移籍が実現したのか、その背景には複数の要因がありました:

華優希さんの早期退団:花組トップ娘役だった華優希さんの予期しない早期退団により、花組に経験豊富なベテラン娘役が急遽必要となりました。

柚香光との相性:劇団側は早くから柚香光さんと星風まどかさんの相性に注目していました。

柚香さんの写真集に星風さんが登場したり、タカスペで共演したりと、事前に相性を確認していたとされています。

キャラクターの違い:宙組の真風涼帆さんが現代的で大人の男役だったのに対し、花組の柚香光さんはロマンチックな二次元系イケメンタイプ。

星風さんとの絵柄の相性が良いと判断されたのです。

15年ぶりの異例な組替え

トップ娘役の組替えは2006年の白羽ゆりさん以来15年ぶりの出来事で、専科を経由しての移籍という形は「緊急避難」的措置とも評されました。

組内に同時期に2人のトップ娘役が存在することを避けるための調整期間として、専科が活用されたのです。

花組トップ就任と柚香光とのコンビ時代

花組トップ娘役就任

2021年2月15日、星風まどかさんの花組トップ娘役就任が正式発表されました。

同年7月5日付で柚香光さんの2人目の相手役として就任し、新たなスタートを切ることになります。

「元禄バロックロック」でのお披露目

2021年11月の「元禄バロックロック/The Fascination!

」で、柚香光さんとの新トップコンビお披露目を果たしました。

忠臣蔵をモチーフにしたファンタジー作品で、華やかなレビューと共に花組100周年を彩る記念すべき公演となりました。

“れいまど”コンビの魅力

柚香光さんとのコンビは「れいまど」の愛称で親しまれ、真風さんとは異なる魅力を発揮しました。

柚香さんのロマンチックな持ち味と星風さんの品のある美しさが調和し、多くのファンを魅了しました。

花組時代の代表作として「うたかたの恋」「アルカンシェル」などがあり、最後まで息の合ったコンビネーションを見せ続けました。

トップ期間6年1ヵ月:歴代3位の長期政権

通算在任期間の詳細

星風まどかさんのトップ娘役在任期間は以下の通りです:

  • 宙組トップ娘役期間:2017年11月20日~2021年2月22日(約3年3ヵ月)
  • 専科期間:2021年2月22日~2021年7月5日(約4ヵ月半)
  • 花組トップ娘役期間:2021年7月5日~2024年5月26日(約2年10ヵ月)
  • 総計:6年1ヵ月(2,216日)

歴代ランキングでの位置

このトップ期間は歴代3位の長期記録となりました:

  1. 花總まりさん:12年超(歴代最長)
  2. 愛希れいかさん:6年7ヵ月
  3. 星風まどかさん:6年1ヵ月

2024年5月の同時退団

2024年5月26日、「アルカンシェル」東京公演千秋楽をもって、星風まどかさんは柚香光さんと同時退団しました。

最後まで添い遂げたコンビとして、多くのファンに感動を与える退団となりました。

まとめ

星風まどかさんの宝塚でのキャリアは、まさに「異例」という言葉がふさわしい軌跡でした。

100期生初のトップ娘役、宙組史上初の生え抜きトップ娘役、15年ぶりのトップ娘役組替え、そして歴代3位の長期在任記録と、数々の「初」と「記録」を打ち立てました。

なぜ花組への移籍が実現したのかという疑問についても、劇団の戦略的判断と複雑な人事事情が絡み合った結果であることが分かります。

柚香光さんとの相性を見込んだ劇団の判断は的中し、「れいまど」コンビとして多くのファンに愛される存在となりました。

現在は東宝芸能所属の女優として舞台を中心に活動を続けており、宝塚で培った経験を活かしたさらなる活躍が期待されています。

宝塚史に深く刻まれた星風まどかさんの足跡は、今後も多くのファンの記憶に残り続けることでしょう。

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