宝塚歌劇団・月組の元トップスター、月城かなとさん。
端正な顔立ちと知性を感じさせるたたずまい、そして観客を物語に引き込む芝居力で、退団後の今もなお多くのファンを魅了し続けています。
一言で人気の理由をまとめるなら「芝居の深さと歌の表現力、そして品格ある美しさ」。
加えて、相手役との呼吸の良さや座長としての責任感も、彼女を唯一無二の存在にしています。
この記事では、月城かなとさんがなぜここまで人気を集めるのか、その秘密を芝居・ビジュアル・人柄の3つの観点から深掘りしていきます。
芝居と歌で観客を惹きつける実力
幅広い役柄を演じ分ける芝居力
月城かなとさんの強みは、なんといっても芝居の幅広さです。
お披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』では、不器用ながら純粋な青年・健司を演じ、その等身大の表現が多くの観客の心を掴みました。
続く『フリューゲル—君がくれた翼—』では、軍人としての硬質な存在感を保ちながらも、内に秘めた葛藤や母への思いを繊細に描き分け、観客に深い余韻を残しました。
さらに『応天の門』では、知性と冷静さを兼ね備えた菅原道真を、重厚で説得力のある芝居で体現し、「職人技」と評されるほど。
どの作品も全く異なる人物像ですが、それぞれをきっちりと“生きる”ことで、観客に物語世界を信じさせる力を持っています。
歌に込める芝居心
歌そのものが芝居になる。
これも月城さんが人気を集める理由のひとつです。
『グレート・ギャツビー』では、小池修一郎先生から「演技も歌も優れている」と高く評価されました。
特に有名なナンバー「朝日の昇る前に」では、虚栄と純粋さを行き来するギャツビーの心情を、声の温度で表現。
観客は歌を聴きながら、キャラクターの内面に自然と寄り添うことができました。
歌唱力だけでなく、“歌で物語を動かす”力を持っていることが、彼女を特別な存在にしています。
芝居の月組を体現する存在
宝塚の月組は「芝居の月組」と呼ばれ、芝居力の高さが伝統となっています。
その伝統にぴったり合致するのが月城かなとさんでした。
目の表情、台詞回し、間の取り方。
その一つひとつに“芝居心”が宿っており、組全体の舞台を厚みのあるものにしていたのです。
月組トップとして5作品を任期内に演じ切ったことも、観客に強い印象を残しました。
美しいビジュアルと舞台上の品格
端正な顔立ちと男役としての立ち姿
月城かなとさんの魅力を語るうえで欠かせないのが、その端正なビジュアルです。
切れ長の目元と整った顔立ちは、どんな衣装にも映え、ポスターや雑誌の表紙でも存在感を放ちました。
舞台上では、立っているだけで絵になると言われるほどの品格があり、観客に“これぞ宝塚の男役”という満足感を与えてくれます。
デュエットダンスで際立つ並びの美
相手役・海乃美月さんとのコンビは「れこうみ」と呼ばれ、多くのファンに愛されました。
デュエットダンスでは、二人の呼吸がぴたりと合い、流れるような所作と並びの美しさが際立ちます。
特にサヨナラ公演のデュエットシーンは、多くの観客の涙を誘い、「宝塚らしい美の象徴」として語り継がれています。
所作や立ち居振る舞いの品格
芝居やダンスだけでなく、日常の立ち居振る舞いにも品格が漂うのが月城さんの魅力です。
退団会見では、最後まで背筋を伸ばし、凛とした態度で言葉を紡ぎました。
その姿に「最後まで男役を貫いた」という声も多く、ファンにとっては“理想のトップスター像”として記憶に残ったのです。
人柄と座長力が生む安心感
組を引っ張る責任感
トップスターとしての月城さんは、常に「組をどう次につなげていくか」を意識していました。
退団時の会見でも「次の世代にバトンを渡すことが自分の役割」と語り、座長としての責任感を強く感じさせました。
この姿勢が、共演者やスタッフからの信頼を集めただけでなく、観客にとっても“安心して応援できる存在”につながっていました。
ユーモアと温かさのある人柄
月城さんは一見クールに見えますが、実際にはユーモアと温かさを持った人柄で知られています。
トークイベントや舞台挨拶では、さりげない一言で場を和ませることもしばしば。
ファンに対しても誠実な姿勢を崩さず、距離感の近さが人気を後押ししました。
退団後も広がる活動の場
2024年の退団後は、スターダストプロモーションに所属し、公式ファンクラブも発足。
早速コンサートやドラマ出演が発表され、舞台を離れても活躍の場を広げています。
宝塚で培った芝居力や歌の表現力を武器に、これからさらに幅広いファン層を獲得していくことでしょう。
まとめ
月城かなとさんが人気を集める理由は、芝居と歌で観客を物語に引き込み、美しい所作とビジュアルで心を奪い、人柄と座長力で信頼を集めてきたからです。
代表作ごとに異なる役柄を巧みに演じ分け、月組の伝統にふさわしい舞台を作り上げた姿は、多くのファンにとって忘れられないものとなっています。
退団後も活動の場を広げる月城さん。
その人気の理由は、これまでの舞台だけでなく、これからの歩みによってもさらに強固なものになっていくでしょう。
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