愛希れいかはなぜ男役から娘役に?宝塚での経歴や相手役までまとめ

宝塚

大河ドラマやミュージカル、民放ドラマと、いまやステージ・映像を問わず活躍の場を広げる女優・愛希れいかさん。

その美しいビジュアルと圧倒的な存在感に惹かれ、「どんな経歴の人なのだろう」と気になった方も多いのではないでしょうか。

実は愛希れいかさんは、元宝塚歌劇団月組のトップ娘役。

しかしそのキャリアには、多くのファンを驚かせた”ある事実”が隠れています。

それは、宝塚入団当初は男役だったという異色の経歴です。

この記事では、愛希れいかさんの男役時代の経歴から、なぜ娘役へと転向したのか、そして宝塚での相手役との深い絆まで、徹底的に解説していきます。


愛希れいかのプロフィールと宝塚への道

愛希れいかさんは1991年8月21日生まれ、福井県坂井市出身。

愛称は「ちゃぴ」で、本名は朝日優貴さんといいます。

「あさひ→あちゃぴ→ちゃぴ」と変化していったこの愛称は、本名の苗字の響きに由来しています。

芸名「愛希れいか」には、「宝塚を愛する気持ちと常に希望を忘れない」という誓いの気持ちが込められているといわれており、元星組トップスター・柚希礼音さんの芸名から一文字もらったという説もあります。

宝塚との出会いは小学3年生のとき。

地元に宙組全国ツアー公演「エクスカリバー/シトラスの風」がやってきたことをきっかけに、宝塚の世界に魅了されました。

以来、バレエを続けながら中学卒業時に宝塚音楽学校を受験し、見事一発合格を果たします。

2007年に音楽学校へ入学、2009年に95期生として宝塚歌劇団に入団しました。

入団時の成績は14番という優秀な成績でした。


愛希れいか 男役時代の経歴と実力

宝塚への入団を果たした愛希れいかさんが最初に踏んだ初舞台は、宙組公演「薔薇に降る雨/Amour それは…」。

このとき彼女が演じたのは、娘役ではなく男役でした。

その後は月組に配属され、男役スターとしてのキャリアをスタートさせます。

男役時代の主な出演作品は以下のとおりです。

  • 2009年「ラスト プレイ/Heat on Beat!」
  • 2010年「THE SCARLET PIMPERNEL」
  • 2010年「ジプシー男爵」
  • 2011年「Dancing Heroes!」
  • 2011年「バラの国の王子/ONE」

なかでも特筆すべきは、2010年の「THE SCARLET PIMPERNEL」での王太子ルイ・シャルル役への抜擢です。

入団からわずか2年目(研2)にして、主役スカーレット・ピンパーネルとの二人だけの場面やソロもある大役を堂々と演じ、周囲から大きな注目を集めました。

宝塚では過去にも注目の新人がこの役を演じてきた経緯があり、愛希れいかさんの将来性が早くから期待されていたことがわかります。

男役としての愛希れいかさんは、身長167cmと女性としては高身長ながら、男役としての世界ではやや小柄な部類に入ります。

しかし3歳からのバレエで磨かれたダンス力と、持ち前の小顔・スタイルから生み出される舞台での存在感は、若手男役スターとして頭角を現すには十分なものでした。


なぜ男役から娘役へ転向したのか

ではなぜ、男役として将来を嘱望されていた愛希れいかさんは、娘役へと転向することになったのでしょうか。

その答えを探るには、まず「なぜ男役になったのか」という部分から振り返る必要があります。

宝塚音楽学校では、1年目(予科生)の時は娘役として授業を受けていた愛希れいかさん。

しかし2年目(本科生)に進む前に身長がぐんと伸び、それを理由として男役への転向を余儀なくされました。

つまり、最初から男役を目指していたわけではなかったのです。

その後、入団して月組で男役活動を続けながらも、周囲からは「娘役に向いているのではないか」という声が絶えなかったといいます。

167cmという身長は、男役としては決して高いとはいえず、本人も悩んでいたとされています。

そして転向の決定打となったのが、後に宝塚相手役を共にすることになる龍真咲さんの言葉でした。

龍真咲さんは「絶対に娘役に変わりや」とはっきり愛希れいかさんに伝えたといいます。

愛希れいかさん自身も後のインタビューで「龍さんは私が娘役に変わることを背中を押してくれた。

ありえないくらい迷惑をかけてきたので、私の良いところも悪いところも全部知っている、私のことを一番知っている方だと思います」と語っています。

こうして2011年5月30日付で娘役へと正式に転向。

転向後すぐに新人公演「アルジェの男」でヒロインに抜擢されるや、翌年には「アリスの恋人」でバウホール初ヒロインも経験。

娘役としての評価はうなぎのぼりに高まり、入団からわずか4年目という驚異のスピードで月組トップ娘役の座へと駆け上がっていきます。

なお、男役から転向してトップ娘役になったのは、宝塚の歴史上でも紫城るいさんに次いでわずか2人目という快挙でした。


宝塚での相手役①:龍真咲との絆

2012年4月23日付で月組トップ娘役に就任した愛希れいかさん。

その宝塚における最初の相手役が、月組トップスターの龍真咲さんです。

龍真咲さんと愛希れいかさんのトップコンビとしての大劇場お披露目公演は、同年の「ロミオとジュリエット」。

前年まで男役だったとは信じられないほどの美しい歌声と、大輪の花のような華やかさで、スケールの大きなトップ娘役の誕生に観客は沸きました。

二人のコンビは2012年から2016年まで実に4年間にわたって続きます。

「ベルサイユのばら―オスカルとアンドレ編―」のロザリー、「ME AND MY GIRL」のサリー・スミス、「1789―バスティーユの恋人たち―」のマリー・アントワネット、「舞音―MANON―」のマノンなど、数多くの役をこなしながら宝塚の月組を牽引し続けました。

龍真咲さんのサヨナラ公演「NOBUNAGA―下天の夢―」では、信長の正室・帰蝶を演じた愛希れいかさん。

武芸に長けた女性という設定が元男役の愛希れいかさんにしっくりとはまり、誠実で凛とした帰蝶を情緒豊かに演じ、長年の相手役の卒業を舞台で見送りました。

先輩の柚希礼音さんも「ちゃぴちゃんがトップ娘役のとき、男役を『支える!』と強く意識していたのがとても男前だった」と評しており、宝塚相手役として愛希れいかさんが果たした役割の大きさがうかがえます。


宝塚での相手役②:珠城りょうとの新コンビ

2016年に龍真咲さんが退団すると、新たに愛希れいかさんの相手役となったのが珠城りょうさんです。

珠城りょうさんは天海祐希さんに次ぐスピードでのトップ就任として話題を呼んだスターで、2016年9月に月組トップスターに就任しました。

珠城りょうさんと愛希れいかさんの新トップコンビとしての大劇場お披露目となったのは、2017年の「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」。

愛希れいかさんは世界的なプリマバレリーナ、エリザヴェッタ・グルーシンスカヤを演じ、その出来栄えは観客・評論家の双方から高い評価を受けました。

全盛期を過ぎたバレリーナというには若いながらも、適度な貫禄と大物感でその役を見事に体現。

珠城さんとの高度なリフトを含むダンスナンバーは圧巻で、「珠城&愛希コンビのデュエットダンスが月組の新たな呼び物になる」と絶賛されました。

さらに本公演を演出・監修したブロードウェイの名匠トミー・チューンからも「言葉の壁がなければブロードウェーにも立てる」と世界レベルの評価を受けたことは、特筆に値します。

実は珠城りょうさんと愛希れいかさんには、宝塚相手役としての関係よりも以前から始まる縁があります。

愛希れいかさんが音楽学校に入りたてのころ、寝不足や食事事情から顔色の悪い愛希さんにサラダを差し入れた珠城さんのエピソードは有名で、愛希さんは珠城さんのことを「サラダのお姉さん」として慕っていたといいます。

舞台上での息の合ったコンビネーションの裏には、こうした長年にわたる人間関係の積み重ねがあったのです。


男役経験が生んだ、唯一無二の娘役

男役から娘役への転向という異色の経歴は、愛希れいかさんにとって唯一無二の強みとなりました。

男役を経験しているからこそ、相手役の立場や動き方を肌で理解できる。

だからこそ、相手役が気持ちよく舞台に立てるよう徹底的に考え抜くことができる。

愛希れいかさん自身も「宝塚は男役さんありきの世界。

男役がいてこそ女役も輝ける」と語っており、その言葉には単なる”女役”としての視点だけでなく、舞台全体を俯瞰する男役経験者ならではの視点が滲みます。

また3歳から積み重ねたバレエと男役時代に磨いたダンス力は、娘役としても際立つ武器となりました。

2017年の「All for One」では男役としてルイ14世、娘役としてルイーズという2役を演じ分けるという曲芸のような挑戦も難なくこなし、エンターテイナーとしての幅の広さを見せつけました。

キャリアの集大成ともいえるのが、2018年の退団前に実現した娘役単独主演公演「愛聖女―Sainte♡d’Amour―」です。

宝塚の常設小劇場であるバウホールで娘役が単独で座長を務めるのは、2001年以来じつに17年ぶりの快挙。

千秋楽にはライブビューイングまで実施されるという、娘役としては前代未聞の扱いでした。

そして退団公演となった「エリザベート―愛と死の輪舞―」では、タイトルロールのエリザベートを演じ、圧倒的な歌唱力と演技力で月組を沸かせました。

2012年のトップ就任から退団までのトップ在任期間は6年7ヶ月。

これは花總まりさん(12年3ヶ月)、遥くららさん(7年2ヶ月)に次ぐ歴代3番目の最長記録です。


まとめ

愛希れいかさんの宝塚キャリアを振り返ると、その歩みは決して平坦なものではありませんでした。

身長が伸びたことで男役に転向し、その後また娘役に再転向するという二度の大きな転換点を経て、歴代3位の在任記録を誇るトップ娘役にまで上り詰めた。

そのプロセスこそが、愛希れいかさんを「唯一無二」たらしめた源泉です。

男役時代に培った視点とダンス力、二人の相手役との舞台上・舞台裏での深い絆、そして転向というピンチをチャンスに変えた不屈の努力。

これらすべてが積み重なって、退団後も女優として輝き続ける愛希れいかさんが生まれました。

宝塚時代の軌跡を知ることは、女優・愛希れいかさんの”今”をより深く、より面白く楽しむための最高の手引きになるはずです。

ドラマや舞台で彼女の姿を見かけたとき、ぜひこの異色の宝塚キャリアを思い出してみてください。

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