鳳月杏はなぜ人気がないと言われる?トップ就任の理由と評価をひも解く

宝塚

宝塚歌劇団の月組トップスターとして、2024年7月8日付で正式に就任した鳳月杏さん。

入団19年目でのトップ就任は、宝塚歌劇団のトップ制度が固定されて以降、最も遅咲きの記録として複数の報道で取り上げられています。

相手役には天紫珠李(あまし じゅり)を迎え、2024年の全国ツアー『琥珀色の雨にぬれて/Grande TAKARAZUKA 110!』(8月22日〜9月16日)が新トップコンビのお披露目公演として開催されました。

続く大劇場お披露目公演は、『ゴールデン・リバティ/PHOENIX RISING』(宝塚:2024年11月16日〜12月25日、東京:2025年1月25日〜3月9日)で行われています。

そんな鳳月杏さんのトップスター就任は、そのキャリアや経歴から、ファンや関係者の間で注目と驚きを呼びました。

本記事は、鳳月杏さんがなぜトップになれたのか、その理由や背景を整理し、歌唱力・演技力・ダンスなどの評価ポイント、組の事情や番手バランス、そして「人気がない?」という声の実態について多面的にまとめました。


なぜトップになれた?

まず鳳月杏さんのトップ就任理由として挙げられるのは、その長年の経験と積み重ねた実力です。

鳳月杏さん2006年、宝塚歌劇団92期生として入団し、宙組『NEVER SAY GOODBYE』で初舞台を踏みました。

主に月組で活動し、2013年には『ベルサイユのばら(オスカルとアンドレ編)』の新人公演でアンドレ役を初主演。

(この新人公演主演は彼女にとって唯一のものです。)

その後2014年に花組へ組替えとなり、2019年に再び月組へ組替えしました。

2021年には新生月組の2番手に昇格し、2024年7月に晴れてトップスターとなりました。

特筆すべきは、東上(東京方面の地方公演)主演を2回務めていることです。

2020年の『出島小宇宙戦争』と2022年の『ELPIDIO』で主演を務め、これが実力派としての評価のひとつの裏付けになっています。

「研19でのトップ=最遅」という点は各メディアで共通して報じられており、トップ制度固定後では最も遅咲きのトップ就任となりました。

また、鳳月杏さんは組替えを経てトップスターに就任しましたが、それに関しては鳳月さんだけではありません。

望海風斗さん(花組→雪組、2017年トップ就任)、北翔海莉さん(専科→星組、2015年トップ就任)などもおり、彼女もまた「組替え経験のある上級生トップ」にあたります。

組替えや上級生としての安定感と実力、そして組内のバランス調整の観点から、鳳月さんのトップ就任は異例ながらも劇団の戦略や事情を反映しています。

コロナ禍やスケジュールの変動、先代トップスター退団後の急なメンバーチェンジといった背景も報じられていますが、確たる一次情報は公表されていません。


評価ポイント

鳳月杏さんの実力は、宝塚歌劇団の基本とも言える「歌唱・演技・ダンス」の三拍子揃った安定したパフォーマンスにあります。

長身(172cm)を生かした舞台上の存在感も大きな魅力です。

歌唱力は深みがあり、ミュージカル的な作品でも安心して観られるレベル。

演技面では悪役やコミカルな役から二枚目まで幅広く表現できる多様性があります。

ダンスについても安定感と華やかさを兼ね備えており、大劇場の群舞でも注目されます。

番手推移では、入団以来花組への組替えや月組再組替えを経て、2021年に月組2番手に昇格。

新人公演主演経験は2013年に1回のみで、通常のトップ候補が経る道筋とは異なりますが、東上主演を2回経験し着実にキャリアを積み重ねてきました。

役替わり歴も特徴的で、主役級から脇役まで多様な役柄を演じており、舞台経験の幅広さが高く評価されています。

こうした実力派としての裏付けが、当初は異例とされたトップ就任の信頼性を支えています。


組の事情・番手バランス

月組は2020年代初頭、コロナ禍やトップスターの頻繁な交代で組全体が混乱期にありました。

2021年に新生月組となった際、鳳月杏さんは2番手に昇格し、上級生として組全体の安定を担いました。

トップスター月城かなとさんの退団に伴い、次期トップ者として「安定感のある上級生」が求められました。

劇団の人事戦略や番手バランスの観点から、鳳月さんはそのポジションに当てはまったと見る向きがあります。

また、組替えを経てトップに就いた例は鳳月さんだけでなく過去にも複数あります。

劇団はその時々の事情に応じた臨機応変な人事を行っており、鳳月さんのケースはその一例とも言えるでしょう。

こうして客観的には、個人の能力だけでなく、組の全体バランスや劇団の方針が鳳月さんのトップ就任に反映されていることがわかります。


「人気ない?」と言われる理由と実際

一部ファンやネット上では、鳳月杏さんに対して「人気がないのでは?」という評価が散見されます。

この背景には、ビジュアル面で万人受けしづらい、スター性より実力派に徹していること、そして新人公演主演が1回のみであるため若手ファンの熱狂的支持が薄いという特徴があります。

ただし、宝塚歌劇団は完売速度や再販率などの客観的データを公式に体系的公開しておらず、人気を数値で一概に比較するのは困難です。

公演の動員は、地域(東京・大阪・地方)や会場の大きさ、スケジュールや作品の性質、他組との競合状況によって大きく左右されます。

鳳月さんのトップお披露目公演『琥珀色の雨にぬれて/Grande TAKARAZUKA 110!

』や大劇場公演『ゴールデン・リバティ/PHOENIX RISING』は、確かな評価と客足を得ています。

批判と賛同が混在する中でも、舞台上での安定感や信頼感は高く、多くのファンや関係者から支持されていると言えるでしょう。

人気の評価は単純な数字だけでなく、舞台表現力や組内での役割、そして成長過程を含めて総合的に見ることが重要です。


直近の動向まとめ

2025年9月現在、鳳月杏さんは月組のトップスターとして順調な歩みを続けています。

初の大劇場トップお披露目公演『ゴールデン・リバティ』は、土日には立ち見もでる盛況ぶりで、舞台技術や情緒表現の高さが高評価を受けています。

組の若手育成にも積極的に取り組み、自らの舞台上での責任と組の未来を見据えた広い視野を持っていると伝えられています。

2025年以降も多彩な新作公演、全国ツアー予定が控え、宝塚歌劇110周年の重要な時期の顔としての役割を果たしています。

今後も舞台での成長や役どころの拡充に注目が集まることでしょう。


まとめ

鳳月杏さんは、伝統的なトップスターの道筋とは異なる独自の経歴と実力で、宝塚歌劇団月組のトップに就任しました。

新人公演主演は2013年の1回のみ、東上主演は2回と少数ながら着実にキャリアを積み、組の事情や劇団方針が複合的に影響した異例の例です。

歌・芝居・ダンスの三拍子をそろえた実力派であり、組全体を見渡せる包容力と安定感を持ちます。

人気評価には賛否両論あるものの、舞台上での信頼とファンの一定の支持は揺るぎないものがあります。

これからも月組の顔として舞台芸術の深化に貢献し続けるであろう鳳月杏さんの今後の活躍に期待しましょう。

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